【Blog】 帝王切開で小さな命を迎えて

今日は、周産期部門のリーダーとして活躍する助産師、カンボジアで活動を始めたばかりの後輩助産師、
そして医療者ではない学生、立場がそれぞれ異なる3名が、同じ帝王切開を目の前にして感じたことについてのお話です。

2019年5月15日、ボランティアの産婦人科医がジャパンハートこども医療センターで2件の帝王切開を行いました。
この日3人は、どのような思いでお産をみつめ、学びを得たのでしょうか。

まず、ご紹介するのは、カンボジアで長く活動し、当院では周産期事業部のリーダーを務める日本人助産師です。
彼女は3年前にカンボジアで活動を開始して以来、つねに医療現場の最前線で活躍してきました。

しかし、今回は彼女の下で助産師としての経験を積み成長を遂げてきたカンボジア人助産師に、さらにその後輩である新米助産師のサポートを任せることにしました。

この日、リーダーとして彼女は、一歩引いた場所から、カンボジア人助産師たちの仕事ぶりを見守っていました。

ついに迎えた帝王切開、医師が取り上げた赤ちゃんを新米助産師がキャッチ、そこから落ち着いた様子でてきぱきと赤ちゃんの体の状態を確認する助産師たち。3年間一緒に活動しながら育ててきた助産師たちが、一生懸命学ぼうとしている新米カンボジア人助産師に指導している姿を見つめながら、胸が熱くなったそうです。

二人目は、日本で5年間助産師として経験を積み、カンボジアにきてまだ数ヵ月の後輩日本人助産師です。

彼女の毎日はまさに挑戦の連続です。

日本では、今まで医師の指示に沿って行っていた緊急時の対応や、帝王切開に関する術前から術後のケアについて、自ら考え実施していく能力がここでは求められています。

今回は帝王切開前の妊婦さんのケアを任されていました。

お母さんが妊婦健診に初めてきてくれた日のこと。さまざまな立場や職種の人がこの出産が無事に行われるように連携や協力してくれたこと。
そして、今こうして帝王切開で元気に生まれてきた赤ちゃん。

このお産は単に偶然もたらされたものではなく、その背景にはたくさんの人のサポートがあったということ。そのつながりを感じられたことが大きな学びだったそうです。

最後に、1年間大学を休学し現在活躍中のインターン。

彼女は、この日帝王切開の様子を大事な記録として、写真に収めるために手術室に入りました。彼女にとって初めて出産を間近で見る瞬間でもありました。

この瞬間の様子を振り返って言いました。

「小さな赤ちゃんが産声を上げたとき、お母さんは泣いていました。
お母さんは、計り知れない不安と闘っていました。無事に子どもが生まれて、お母さんの不安は安心と喜びに変わったのだと思います。

同時に自分が今ここにいること、今生きられているのは、お母さんがこうやってお腹を痛めて産んでくれ、大切に育ててくれたからなんだと、改めて親の偉大さ、大切さに気付かされました。

いつも通りの「今日を迎えられること」が当たり前じゃないことを実感した瞬間でした。」

役割や、視点がそれぞれ違いますが、この新たな命を迎える瞬間は、その場に立ち会ったそれぞれが、多くのことを感じる瞬間でもありました。

ジャパンハートこども医療センターでは、毎日さまざまな出来事があり、スタッフたちはそこからの学びを通して医療者として、そして人として成長していきます。

それぞれのスタッフが書いたレポートの詳細はこちらからご覧いただけます。
周産期部門リーダーの活動レポートはこちら
後輩助産師の活動レポートはこちら
長期インターンの活動レポートはこちら