カンボジア事業の活動経緯

“医療が届かないところに医療を届ける”というコンセプトのもと、
現地の医療者育成と、安定的・継続的な医療の提供を目指してスタートしました。

農村への巡回診療、稼働していなかった病院での手術、さらに2015年には病院建設プロジェクトを立ち上げ、
多くの方の協力を得て2016年には病院がオープン。2年足らずで17,050人もの患者さんが来院し、日々大切な命と向き合っています。

そして、2018年6月にはプロジェクト第二弾として、小児がんも治療可能となる「子ども病院」を増設しました。

歴史・背景

1970 年代からの内戦、ポル・ポトによる大虐殺のため、たった4年の間に当時の人口800万人中300 万人もの人が亡くなり、
知識人である医療者の大多数が殺害されるか国外逃亡したため、医者はわずか40 人しか残らなかったと言われています。
国民の平均年齢が24歳であり、15 歳未満が人口の3 割を超える若い国です。(World Population Prospects 2015)

医療の現状

100人に約2人の新生児は、1歳の誕生日を迎えることができず、新生児死亡率は1,000人あたり15人(2016年world bank)と、
アセアン諸国の中でミャンマーに次ぐ高い数値です。妊産婦死亡率は10万人あたり161人(2016年world bank)。
妊産婦のための専門医療機関へのアクセスは相対的に低く、家庭で伝統的産婆の介助を受けての出産も残っています。
現在、国立・私立の医学部はあるものの2012 年にようやく医師国家試験、資格登録制度が義務づけられたばかりで、
国民1 万人あたりの医師数は2 人にも満たず、医師不足は深刻な問題です。(Global Health Observatory data 2014)。

公衆衛生、ワクチン接種率の向上に伴い、1990 年には54.9%を占めていた「感染症」による死亡が2015 年には25.2%にまで減少したものの、

「心血管疾患」「悪性新生物」(がん)は増加しています(Global Burden of Disease Study 2015)

・停電と断水はセット
カンボジアでは、電気が止まると必ず水道も止まります。上水道がなく、井戸水をモーター(電気)で組み上げているためです。
停電が半日におよぶこともあり、手術中は懐中電灯が必須アイテムです。

・輸血は家族総出で首都へ移動
カンボジアでは、緊急的に輸血が必要になった場合、日本のように輸血パックは届きません。
血液も足りないため、家族が首都プノンペンまで移動して献血します。

・手術室でも忙しい、ハエや蚊の退治
ハエに電気ショックを与える機械がつねにフル充電されている手術室。
衛生環境を少しでも良くするため、ハエ退治はスタッフの日課です。

 

小児がん診療の現状

小児がんの統計がないため実数は不明なものの、ベトナムでの小児がん患者数が1 万人あたり108 人と報告されていることより、
カンボジアでは年間500~600 人の小児がん患者がいると推測されます。しかし、実際に診断されているのは年間200 人程度であり、
半数以上が診断すらされずに亡くなっているのが現状です。

カンボジア国内で小児がんの治療が可能なのは4 施設(カルメット病院、ソビエト病院、クンタポパ病院、アンコール小児病院)のみ。
しかし、患者・家族だけでなく医療者の間ですら小児がんは「治らない」と思われているため、紹介されないケースや、

たとえ紹介されてもお金がなくて治療が続けられないケースが多く見られます。

ちなみに、日本では年間2000 人前後が新規で小児がんと診断されていて、
生存率は70~80%以上ですが、発展途上国では10~20%未満と、大きなギャップがあります。

今回の「子ども病院」プロジェクトでは、カンボジア国内の小児がん診療施設と連携して、小児がんの子どもとその家族を支援し、
がんのみならず、病気に苦しむ子どもたちを一人でも多く元気にしていきたいと考えています。

 

 


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